当工房でギターに施工している天然藍による染色について説明します。
1. 染色には天然藍濃縮液やいくつかの薬剤を使います。布を染色する場合と異なり、天然藍にいくつかの薬剤を配合して施工します。
2. 染色前のギターです。塗装ができる状態になったギターをホワイトボディと呼びます。
#400程度のサンドペーパーや木賊を使って木地面を整えますが、当工房では染料がよく染み込むようにするにはサンドペーパーを、染み込みを抑えたい場合は木賊を使います。
3. いくつかの薬剤を配合し水で希釈した天然藍液に染色したいものを浸け込みますが、このギターの場合はボディのトップだけを染色したいので、染色したくない場所に糊やサンディングシーラーなどを塗布して浸水を防ぎ、刷毛で天然藍液をひたひたに塗ります。
4. 天然藍液自体は褐色ですが空気に触れるとすぐに青く変色していきます。しっかりと木地に染み込ませてから青く変色させたいので、ラップなどでボディを密閉して空気との接触を抑えます。
5. 一定時間放置したらラップを外し、天然藍液を水で洗い流します。放置する時間は気温や湿度によって変わります。
6. 発色剤を塗って鮮やかな藍色を出します。
7. 中和剤を塗って変色の進行を止めて染色は終了です。
望む色合いになるまで3から7を繰り返します。
このギターの場合は杢がよく出るようにサンドペーパーで研磨しています。
プレーンな仕上がりにしたい場合は染色面はそのままにして上塗りに入ります。
透明な塗料(ウレタンなど)で上塗り後に研磨して仕上がりです。